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花粉症の治療戦略 |
花粉症の治療戦略 花粉症の治療としては、大きく以下の3つの方法があります
3つの方法すべておくだ耳鼻咽喉科にて治療可能です。
1 薬物療法(くすりの内服、点鼻薬)
花粉症治療のオーソドックスな治療であり、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬および点鼻薬・点眼薬が使用されます。
治療方針としては、1月中旬から2月の初旬ごろから、またはスギ花粉飛散のごく初期の段階から、「初期療法」として、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬の内服を行います。点鼻薬・点眼薬も、本格的な症状が出る前から開始した方が、花粉症状の症状を軽く押さえることができます。もちろん、症状が出現してからこられの内服薬、点鼻・点眼薬を開始しても、遅いと言う事はありません。
抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬の内服薬の種類は非常に多くまた、眠気の比較的少ない薬から、眠気は強いが効果の強い薬まで様々に分類することができます。これらの薬の効果や副作用の強さは個人差が大きく、最終的には一人一人の体質や症状に合った薬を調整する事が、花粉症の治療において一番大切なことと考えています。
もちろん、その年の花粉の飛散数も大きく影響しますので、記録的な大量飛散の年には、ステロイドを含む強力な薬でもなかなか症状を抑える事が難しい場合もあります。
昨年までの内服薬で効果があった方は、原則として同じ薬から始め、効果がなかった場合には、何が問題であったかを考慮し、別のくすりに変更して治療を始めます。その上で、今シーズンの状況、薬の効果、副作用等を考慮しつつ、処方内容の調整を行います。
シーズンのピーク時には、ステロイドを含む内服薬が必要となる方も多くなりますが、長期間の継続的な服用は副作用の問題から、原則として抗アレルギー剤の内服薬を服用して頂き、症状が強い時のみステロイド剤を単発的に使用するのが望ましいと考えています。
なお、点鼻については、鼻粘膜からのステロイドの吸収は限定的と考えられることから、初期の段階から積極的に使用して問題ないものと考えられます。また、点眼については、ステロイド点眼は緑内障を悪化させる可能性があるため、使用を最小限にとどめる必要があります。
2 免疫療法(特異的または非特異的減感作療法)
減感作療法という治療を聞いたことはあるでしょうか?
「特異的減感作療法」は、スギ花粉のエキス(ワクチンのようなもの)を、ごく薄い濃度でごく少量から始め、徐々に量、濃度を増やしながら注射し、スギ花粉に対する免疫力を付けて体質改善する方法です。アレルギー性鼻炎の中で唯一、スギ花粉に対する根治的な治療方法です。
良い点としては、スギ花粉に対するアレルギーを抑えるため唯一の根本治療で長期的に見てば、一番お勧めの治療です。
短所としては、治療に時間がかかると言う事です。最初の1年間は、1週間に1回、2回の通院治療が必要で、維持段階でも1か月に1回程度の通院治療が必要で、数年~5年程度の治療継続が必要となります。
また、ごく稀ではあるものの、注射後に喘息発作を誘発したり、アナフィラキシー反応が出現することも有ります。詳しい内容については、当クリニックにご相談ください。
「非特異的減感作療法」は、スギ花粉に限らず、いろいろなアレルゲンに対するアレルギー反応を抑える方法ですが、アレルギー症状全体抑える治療方法なので、根治的治療法ではありません。ヒスタグロビンという抗アレルギー薬を1週間に1回、計6回(6週間)をめどに注射しますが、この注射液は人由来の成分を含むため、現在はあまり使用されておらずお勧めできません。
3 手術療法「鼻粘膜焼灼術」
鼻の中の下甲介と言う粘膜を、手術的にレーザーで焼灼する方法です。レーザーで粘膜を焼く事でアレルギー症状を抑える方法で、この治療は根本的な治療ではなく、 粘膜を焼灼する事で一時的にアレルギー症状を抑えるだけです。
そのため、数カ月から1年ぐらいで元の症状に戻ってしまいますが、数カ月から1年間程度はアレルギー症状を抑える事ができるので、毎年決まった時期にのみ症状が出る患者さんには、お勧めの治療です。
おくだ耳鼻咽喉科ではCO2レーザーによる鼻粘膜の焼灼手術を行っています。
クスリの内服や点鼻薬等では症状の改善が不良で特に鼻づまりの症状の強い方が対象となりますが、軽症から中等症の方でも、薬剤の使用を減らしたい場合にはレーザーを行う価値は十分あると思われます。
レーザーは当日60分程度ですぐできます。手術後は一時的に鼻の粘膜が腫れるため、鼻づまりの症状が強くなりますが、1週間程度で軽快しますが、鼻づまりの症状が強い患者さんは、鼻処置、ネブライザーのため、一時的に通院して頂く必要があります。
また、手術後、稀ではありますが、鼻出血を起こし易くなっていますので、過度の飲酒や運動や長時間の入浴等は控えて安静にして頂く必要もあります。また、スギ花粉症の症状緩和を目的とする場合には、その年の2月ごろまでに、レーザーを終えることが望ましいと思われます。シーズン中でも遅いと言う事はありません。
いわゆる一発注射について
花粉の時期に、1回注射を行えば、花粉症の症状があまりでないという「一発注射」については、副作用の問題から、原則としてお勧めできません。
この方法は長期間作用型のステロイドホルモンを注射する方法です。副作用として、全身倦怠感や血圧の問題、また注射跡に瘢痕を生じたり、女性ではホルモンのバランスが乱れるなどの問題を生じる可能性が高いことから、積極的にお勧め出来る治療方法ではないと考えています。
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